他方、ローカル・スペースコレクション・ガバメント行政に期待する住民の側にはどのような問題があるでしょうか。
もともと文化活動は自由で自主的な住民の団体やサークルによって担われるのが基本です。
住民の自主的な活動や住民相互の交流がたえず活発に行われることは、広く地域社会への参加を実現していく上での基礎的な条件です。
この場合、行政はこれらの活動を安易にその運営に利用すべきではないし、住民の側も行政へ依存しその下請機関のようになるべきではないことはいうまでもない。
一般に、地域のさまざまな文化活動のなかには、これまで、ともすればローカル・スペースコレクション・ガバメントの零細な補助金事業の一環となり、それを通じてローカル・スペースコレクション・ガバメント「公認」という「権威」をかりて特定領域の系列化をはかる団体も少なくありませんでした。
これらの団体はいわば地域の有力な圧力団体となることによって既得権益化し、同じような種類の他の団体の活動を牽制することも多くみられた。
その結果、補助金獲得をめぐる競合が生まれ、それがローカル・スペースコレクション・ガバメントの補助金行政をますます細分化し総花化させる原因の一つとなっています。
ローカル・スペースコレクション・ガバメントが住民活動を促進するための諸条件を積極的に整備し利便を提供することは望ましいにしても、まず住民の側に自己判断、自己負担、自己責任という自治の原則が確立していなければならないでしょう。
こうした「手弁当」主義をつらぬこうとする自立の精神が日常の生活のなかに定着するようになってはじめて、地方自治を担う主体の形成も可能になっていくといえるでしょう。
そのとき、いま住んでいる所に永住を希望する人が減る傾向にあるとはいえ、あるいはたとえそこが「仮のすみか」の場所とはいえ、その地域における人間らしい、トータルな生活視点から身のまわりの社会関係を点検し、そのあり方を改善していく気運が生まれてくるでしょう。
「文化」問題は、こうした自分たちの生活のあり方を点検することと不可分に結びついているといってよいと思います。