ビザンチン帝国
アラブの世界からはなれ、香辛料の市場にもっと近いところにあって、ビザンチンの都である、今日のイスタンブールは、ローマの化粧品の伝統を、守っていました。
その洗練された趣味は、この都の飾りをいっぱいつけた極彩色衣裳の豪奪さと、よく釣り合っていたのです。
ビザンチンの婦人たちの頬は、まぱゆいばかりの技巧でおおわれていました。
眉毛は、ムダ毛を脱毛してから黒く染められ、いろいろな脂肪性の植物を、半焼きにした炭でつくった化粧料で、大きく描かれていました。
15世紀のある説教家の説教のなかで言われているのによれば、類と唇とは、ばら色に化粧されていました。
そして、かつらをかぶりマスクをつけた、侵雅なビザンチンの婦人の顔は、今まで白分の国では、そんなものをみたことがなかった15世紀の善良なフランス人聖地旅行者ベルトランドン・ド・ラ・プロキエールを、ぎょっとさせたのです。