ルネッサンスということばは、多くの人々にとって、ギリシャ、ローマを、そして、その文学と、人間主義への復帰を意味しています。
けれども、それにもう一つつけくわえて、地上の生活への愛のルネッサンス、ということができるでしょう。
現世は、もはや暗い涙ものではありません。
芸術における裸体の復活、官能性の昂揚もまた、そうです。
その証拠に、イタリヤ絵画は、スキンケアと脱毛がされた豊満な肉体を惜しげもなくみせ、そればかりではない16世紀フランスの女流詩人マリー"ルイズ・ラベの詩だとか、ルクレチア・ボルジアらの、世にうわさのたかい貴婦人たちの公然のあだっぽい生活だとかは、みなその証拠です。
女性の威信と、社会的地位とは、あきらかに高くなっていました。
誰もがすぐにおもいうかべるほどの例だけをあげるにしても、フランス文芸復興の保護者ナヴァールの女王マルグリット、アンリニ世の宮廷で大きな勢力をふるった、ディアヌ・ド・ボアチエ、おもうままに権力をふるった皇太后カトリーヌ・ド・メディシスだの、そして英国のエリベザス女王だのといった女性たちは、それぞれ重要な役割をはたしているのです。